結城先生の初恋~隣の席の君❀.*゚

「絢人くん、あれから身長伸びた?」
「うん、高校卒業してからも結構伸びた気がするな」

 当時のふんわりした雰囲気を残したまま、あの時と比べると大人な雰囲気もプラスされ、更にかっこよくなっていた。

「今絢人くんは何してるの?」
「学校の先生やってるよ」
「先生やってる姿、すごく想像出来る。もしかして理科担当?」
「そうだよ」
「やっぱり。生徒に慕われてそうだね」
「慕われているかは分からないけど……」
「そして、モテそう……」
「いや、全然だよ。うちの学園、人気ある芸能人とか、カッコイイ生徒結構いるし、自分の存在、多分霞んでる……」

 そんなことを言っているけれど、絶対生徒にモテてる。そして先生方にも……

 絢人くん、今、恋人とか、いるのかな?

 ふと気になったけれど、それは聞けなかった。

 少し話をして、お互いに反対方向を歩こうとした時だった。

「もし良かったら、お花見しませんか?」

 予想外のお誘いが。
 こうやって誘ってくるってことは、彼女さんとかいないのかな?

 指輪はしてないみたいだし。
 でも指輪つけてないカップルや夫婦、いるよな……。

 でももし彼女とかいたなら、彼なら誘ってこなさそうだよね? どうなんだろ、気になる……。