生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

階段下の踊り場


さくらが男子高校生の眼鏡を外すと、
そこには見慣れた顔があった。

「真一・・・?」

さくらの身体は、しっかりと真一に横抱きで抱えられていた。

さくらの驚いた表情に真一は、

「お姫様抱っこってこれで合ってる?」

と、いつもの調子で真一がさくらに声をかけた。

「ふっ・・・。」

さくらは息を吐くように少し笑った。それから、

「うん・・・。」

と、さくらはそうつぶやくと、ぶわっと一気にさくらの目から涙があふれ出した。

そしてそのまま勢いよく真一に抱きついた。

「うわっ!」

真一はさくらに抱きつかれた拍子に、後ろによろけた。

絶対にさくらを落としてはいけないと、しっかりとさくらを抱きかかえたまま、ふらふらしながらもなんとか踏ん張った。

しかし、結局は耐えきれず、壁に背中を軽くぶつけたかと思うと、

そのままずるずるとさくらを抱きかかえたまま、

その場にしゃがみ込んだ。

とりあえず、さくらを落とさずに済んで、真一はホッとした表情を浮かべていた。


「さくらー!!」

「さくらっ!!」

「さくら~!!」

さくらの友達3人が階段を猛スピードで駆け下りてきて、さくらに駆け寄った。

「さくら!ほんとにごめん!ごめん!」

「さくら~。こんなつもりじゃなかったの。ごめんね。」

「さくら、ごめんっ。」

3人の友達もぼろぼろと泣いている。

『あの時、私を階段から突き落とすつもりなんてなかったんだ・・・。

私の思い込みだったんだ・・・。

私が持っていた手提げかばんで自分でバランスを崩して落ちてしまったんだ。

みんなの表情も笑ってたんじゃなくて、びっくりして慌ててたんだ。

私が勝手に、突き落とされたって思い込んでただけだった。

私が勝手に笑ってたって思い込んでたんだ・・・。

今までもそうだった。自分ですべて勝手に思い込んで、自分で勝手に結論付けて・・・。

もう、勝手に自分で思い込むのはやめよう。

相手の本当の気持ちなんて、私に分かるはずもない。

人の気持ちを自分が勝手に決めつけちゃだめなんだ。

聞かなきゃ分からないんだ。今度はちゃんと話をしよう。』


さくらは泣きながらも、泣いている友達3人を見ながら、これからはちゃんと話をしようと思った。