生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

さくらは教室を飛び出し、廊下を走った。

さくらは高校に入学してから廊下を走ったことはなかった。廊下を走るのは陽キャだけだからだ。こんなことは初めてだ。

時々手すりに手を掛けながら、さくらはバタバタと階段を駆け降りた。

さくらの心拍数が上がる。

『もうすぐだ。彼女たちにありがとうと言ったら、私の勝ち!』

さくらの気持ちが高ぶる。

はやる気持ちを抑えながら、ボブとツインテールの二人組の元へ急ぐ。


下駄箱まで来ると、急いで上履きから靴に履き替えた。

「バンッ!!」

と、さくらは今までしたことのないくらい、大きな音を立てて、勢いよく下駄箱の扉を閉めた。

さくらはグランドに飛び出し、二人組の姿を確認した。安堵と緊張の中、二人を追いかける。


グラウンドの端をゆっくりと歩く二人組。

さくらはあと少しで追いつくというところで、

「待って・・・。」

と、ぜいぜいと息を切らしながら、ボブとツインテールの女子二人組を呼び止めた。

その声に二人が振り返ると、二人はじょうろを持っていた。どうやら二人は園芸部員のようだ。

さくらは、第一声で、

「ありがとう。」

と言った。

さくらの言葉に、二人組はきょとんした顔をし、お互いの顔を見合わせた。

さくらは慌てて、今度は、二人の目を交互にしっかり見ながら、

「あの・・・前に・・証言してくれて・・ありがとう。」

と、息を切らしながらも、なんとか言いきった。

「証言??」

二人は、再び顔を見合わせてから、不思議そうな顔でさくらを見た。

「いや・・・そのありがとう。二人のおかげで私・・・。」

と言いかけたところで、

「あの、多分人違いだと思います。」

と、ツインテールの子が言った。

「え?」

さくらは、驚いた。

『あの時、見たのはこの二人組で間違いないのに・・・。
もしかして周りに知られたくないから、わざと、知らないフリをしてる??保健の先生もそんなことを言ってたような・・・。』

とりあえずありがとうは言えたので、さくらはこれ以上食い下がらずに引くことにした。

「急にごめんなさい。」

と言って、さくらは、二人と別れた。


『やった!ゲームに勝った!!!』

さくらは心の中で叫んだ。そして軽い足取りで校内に戻って行った。