生と死と恋の間で~死神?!に恋した陰キャJKの1週間~

6日目(月) 昼休み

さくらの周りに、今朝話した1人とその友達の2人、計3人が集まってきた。

3人は机を動かし、さくらを含め4人で向かい合って座った。

各々弁当箱を開けながら、そのうちの1人が、

「あの事故の時の話、聞きたいんだって?」

と、さくらに聞いてきた。

「うん。証言してくれた人のこととか、何でもいいから知りたくて。」

「そっか・・・。まあ、噂なんだけど・・・。」

と、一人が前置きしてから、

「最初は事故じゃないかって言ってたんだけど。香山さんの友達も、泣きながら大丈夫?って
駆け寄ってったらしいし。でも現場を見てた子がいて。どうもその子が突き落とすのを見たらしくて。」

「現場を見てた子って誰か分かるかな?」

「ちょっとそこまでは・・・。」

「学年とかは?」

「学年までは・・・。でも、同学じゃないと思う。同学だったらもっと噂になってたはず。」

「たしかに。」

「香山さんはどこまで覚えてるの?」

「う~ん・・・。」

「あ、ごめん。辛いよね。」

「ううん。大丈夫。ほんとにほとんど覚えてなくて・・・。」

「記憶喪失的な?」

「分かんないけど、その部分だけ抜けてる感じで。」

「でもほんと、香山さん、無事でよかったよ。」

「ほんとほんと!学校もすぐ復帰してえらいよね。」

「いやいや、えらくなんてないよ。出席日数足りないと卒業できないから来てるだけだし。」

と、さくらは苦笑いしながら言った。

みんな、女子高生らしく話しながらも、しっかりと弁当を食べ進めていく。

「ねえねえ、こういうのって免除にならないの?」

「高校は義務教育じゃないから免除になんないでしょ!」

「でも、学校で起きた事故だよね?」

と、最初はさくらの事故の話をしていたが、いつのまにか話が逸れ、さくらをよそに別の話で盛り上がり始めた。

「それ、美味しそうだね。」

「なんか、うちの親、特売で大量買いして冷凍してた。多分このおかず1週間続く。」

「一週間はきついね。はははは。」

知りたい情報は得られなかったが、たわいもない話で盛り上がる、なんともいえないこの感じが懐かしかった。

さくらは、咽喉(のど)がいっぱいになった。さくらは持っていたお箸を置いた。



「ごめん、私、ちょっと行くとこあって。」

さくらはそう切り出すと、そそくさと弁当箱を片付け始めた。

「あっ、うん。私たちまだ食べてるから、いいよ、行ってきて。」

「ごめん、ありがとう。」

さくらはそう言うと、教室を後にした。