それから先輩とは週に2・3日屋上で顔を合わせるようになった。
初めは戸惑いや緊張があったがそれも一週間もすれば自然となくなる
出会って1ヶ月経つ頃には色々な話をする仲になった。
好きな音楽の話、映画の話、小説の話、先輩の数少ない友だちの話、ときには人生において学生と言う時間は本当に必要なのかという結論の出ない話をしたこともあった。
ほとんど私が話して、それを先輩が聞いていて時折返事をするっていうものだったから、会話をしているというより私が一方的に話してるだけだったけど…
でも私は先輩に自分の家の話、クラスでの話、いじめられている経緯はけして話題として振らなかった。
先輩も聞こうとはしなかった。
私の中でどんなに気を許していてもその話題はけして話してはいけない、いや話すことができないとそう思っていたから、話を無理に聞こうとしてこないことに正直ほっとしていた。
そんな生活の中、気づけば一学期期末テストの時期に差しかかっていた。
テストが近づくにつれて気持ちは憂鬱になっていくばかり
そんなある日先輩が
「お前ってさ勉強できんの?」
突然聞いてきた。
「できますよ。馬鹿にしてます?」
「授業に全く出てる気配ないのに? 順位は?」
「それはツッコんじゃだめです。だいたい学年のトップ10に入るくらい」
「クソ頭いいじゃん!こんなところに毎日いて授業一つも受けてないのに」とか言って馬鹿にされたから
「先輩、もしかして勉強できないんですか? あとさり気なく馬鹿にするのやめてください。」って言ったら
「できねぇよ!悪かったな」って言われた。
後半の言葉は完全無視!!
冗談半分で「なら一緒に勉強します?」って言ってみると、
「屋上で?めんどくさ〜 別にいいけど」と矛盾した回答だったが次の時から勉強道具を持参して二人で勉強するという約束をした。
それから期末テストまでの間、家と屋上で勉強
時に、ふらっと先輩が屋上に来たときに少しずつ勉強を一緒にするという日々を送って期末テストに挑んだ。
そして期末テストの結果がすべて返却された日、私は絶望しながら家に帰った。