玄関を開け「ただいま」というと、リビングから「おかえり」というお母さんの声がした。
その声を聞き流しながら自分の部屋に荷物を置き着替えを準備して、今日はそのままお風呂に入る。
お風呂から上がりリビングに行くと父が仕事から帰ってきていた。
「おかえり」と声をかけると
「冬菜、この前の実力テストの結果返却されてるよな?見せなさい。」
[帰ってきてただいまをいうより先に言う言葉がそれなんだ…] なんて言えるわけもなく、何も言わずに実力テストの結果を部屋から持ってくる。
父に結果を手渡したあとお母さんの手伝いをする。
3人が席についてすぐに父が
「今回は二位なんだな。数学の四点をきちんと取っていればこんな順位にはならないだろう」という一言を聞いた瞬間
[始まるなー 私のためとかいう建前をつけた意味のない説教が]と思いながら説教を聞き最後はいつものように
「ごめんなさい。次はちゃんと1位取れるように頑張るから」と笑顔で言う。
不安そうな顔でその一部を見ていた母もほっとした顔をしていたがそれを見逃さなっか父は
「お前もお前だよ。こんなことにならないようにしっかりと勉強させ、その見張りをしろといったろ」と今度はお母さんに私は言うより、強い口調で説教をし始める父
[そんなことして何になるの。お母さんを怒鳴りつけてないで静かにご飯食べてよ]
そんなこと言えるわけもなくただ黙々と終わるのをご飯を食べながら待つ。
私が食べ終わる頃にお母さんへの説教が終わり、それを確認した私はホッとしながらそれをけして顔に出さず食器を片付け、
「部屋で勉強してそのまま寝るね おやすみ」と両親に言ってからそそくさと部屋に戻る。
部屋に戻っても学校での出来事と父の壮絶な説教、そして作り笑顔に疲れて、勉強する気になれず、布団に寝っ転がったとき
ふと今日財布の中に入っていた紙切れのメモを思い出した。
通学カバンの中から財布を取り出し、中から紙切れを出す
[2年A組の三影先輩 なんであの時間に屋上にいたんだろう なんで名前教えてくれたんだろう? なんで自販機で助けてくれたんだろう?]
そんな答えの出ないようなことを永遠と頭の中でぐるぐると考えていた。
それと同時に[助けてもらったのにひどいこと言っちゃったな… 後で謝らないと]
と思っているうちに気づいたら寝てしまっていた。