屋上についてすぐ先輩は私の方を向いて「なんであんな無茶したんだよ」なんていうから
「急にいろんなことが片付いて、偶然が出来すぎだなって思ったから知りたくて」
「そうだとしてもあいつに聞くことないだろ?」
「だって先輩もなにか知ってるみたいだったけど何も聞くなってオーラだったから」
「別にそんなオーラ出してねぇよ」
「じゃあ逆に先輩はなんであんなところに居たの?私がいるってなんでわかったの?」と聞くと
「帰ろうと思って下駄箱にいたんだよ。その時に見かけたから、気になったんだ」と言われた。
そんな言い合いをしていた私と先輩
言いたいことがなくなってどちらともなく黙り込んだ。
言い合いのせいなのかそれとも先輩が隣にいるからなのかはたまた、またしても助けてもらったからなのか私の心臓が異常な心拍をしていた。
私は、沈黙に耐えられなくなり上を見上げた。
そこには、すごく幻想的な空が広がっていた。
綺麗だよと先輩に言おうと横を見ると、先輩も同じように上を向いて空を見上げていた。
しばらく無言で空を見上げていたが、ふと気になったことがあり、先輩にそのことを聞くことにした。
「なんで私のいじめの原因である吉田さんたちをここに呼び出してまでいじめを止めようと思ったの?」
その問の解答はしばらくの沈黙の後だった。
「別に大した理由はねぇよ」
「先輩は知ってるかわかんないけど、人は理由なく行動することはないんだよ 絶対にどこかに理由があって行動してるんだよ。だから先輩が大した理由なく行動したというのは嘘になる」
そう先輩に言うと、先輩は「軽く馬鹿にしてんだろ。理由ね…理由として上げるなら、お前のためだな」
そうにはっきりと言った。
それを聞いた私の心臓はさっきまでの心拍数を更に上回る心拍数になりドキドキが先輩にまで聞こえてしまいそうなほどになってしまった。
そんな私をことなんてまるで見えていないかのように先輩は続ける
「お前の人生が波乱万丈なのはわかってるつもりだ。だからこそ、今あるお前の負担を少しでも軽くしてやりたかったんだよ…」
そうに言った先輩に私はずっと聞きたかったことを聞くことにした。
「なんで先輩はそんなに私のことを助けてくれるの? ただ高校の屋上であっただけの顔見知り程度の私を…」
そう聞くと先輩は「理由がいるのか?」というから
「さっきも言ったでしょ! 必要! なんで私のことを助けてくれるのか知りたい 先輩がなんで私なんかの為に動いてくれるのかを教えて」
そうに言ったときの私がどんな顔をしていたのかわからない
でも先輩は、私に「そんなに真剣な顔をして言うなよ。しょうがねぇな」
といってから「お前は覚えてないかもしれねぇけど、俺とお前は3年前1回だけあってんだよ」
「そんなことない。私は三影なんて名前の人ここで会うまで知らなかった」
そうに言った私に先輩は、
「お前が知ってるわけないだろ。俺がお前と会ったときにお前に俺の名前は言ってない。俺だけがお前の名前を聞いて知ってた」
そうに言われた私はますます意味がわからなかった。
「どういうこと?わけがわかんないんだけど?」
先輩はだろうなというような顔をして、ゆっくり話始めた。