「イベントって仲深まるもんなぁ~」

「よく見てるな」

 何だか得意げなクワタニの弁当箱から、大きな唐揚げを摘まむ。

「これこれ。前も食べたクワタニんちの特製唐揚げ。生姜が効いてて美味しいんよなぁ」

「勝手に食べるなよー。唯一の美味いおかずのに」

「そんなこと言ったら、お母さん悲しむよ」

 翠が困惑しながら話し、似たようなやり取りを以前にもした気がする。

 ──バンバンッ。

「皆さん、あのー」

 会話を遮るように突然黒板を叩く音が教室内で響き、前を見ると文化祭の時のリーダーが教壇に立っていた。