まもなく終了時間が来ると、今日はざっとした片づけを終え、ある程度の時間が経つと帰宅することになった。文化祭の余韻に浸ってうだうだする生徒たちが、教師に帰るように促されている。

 後夜祭等はなく、月曜日の午前中は残る大掛かりな片づけに追われるだろう。どこも一ヶ月前から少しずつ準備をしてきた校内が、元に戻っていく姿はもの悲しい気もする。

 外へ出ると小雨が降っていて、一応持ってきていた折り畳み傘を差して歩いていると、濡れながら自転車を押す朝貴が先を越していく。

「朝貴、自転車で帰るの?」