「まだ詳しくは聞いてないけれど、本当に良かったよ。おめでとう」

「ありがとう。すごく嬉しいよ」

 良かった。つばきの初めての彼氏が甲野君で、彼はつばきを大事にしてくれそうだ。

「昨日の花火大会、どうだったの?」

 階段を上りながら昨日の話になり、会場はとても賑わったようだ。

「音楽を流しながら花火が上がってて、めちゃくちゃ素敵だったよ」

「良かったんだろうなぁ」

 会場が盛り上がっていた頃、私と朝貴はあの小さな土手にいた。