だって、さ。何年も関わってなかったのに。

 重い体でノロノロ下駄箱でスリッパを出していると、バッタリ甲野君と会ってしまった。

 朝貴から何か聞いてるのかな。

「中滿さん、おはよう」

「おはよう」

 でも、それはあるけれど──

「つばきとのこと、おめでとう」

 小さな声で囁くと、甲野君はとても嬉しそうにニッコリ笑顔を浮かべた。

「つばきさんから聞いてたんだね」