「ずっと気まずかったけど……朝貴は大事な友達だなって、いろんな瞬間に……うん、感じたから」

「やっと気づいた?」

 大げさに笑った朝貴に、中滿さんもきっと笑っていることだろう。

 今日は本当にいろんなことがあった。

 楽しいことばかりじゃなかったけれど、最後の最後はつばきさんの優しい微笑みを見ることができて、一緒にいたいと強く思った。

 外はもう闇に包まれ始めている。

 暗い窓に反射した自分の隣に、つばきさんを描いてしっかり手を繋いだのだった。