私は空気が読めないのだろうか。そうかもしれない。

「中滿さんだっけ……怖くねーか」

「おい黙れって。聞こえるぞっ」

 ──聞こえてますけど……。

 高校二年になり、一ヶ月。桃色の愛らしい桜は既に散り、新緑が春の日差しに照らされる。

 私の冷ややかな視線やムッとした態度のせいか、まぁどう見ても周りの印象は良くないようだ。