バスケ部で活躍していたあさながミナや内藤とかなり揉めて、いじめられていた田中つばきを庇っていた時、本当は堂々と見方をしてあげたかったのに、俺は何もできなかった。

「あさなに何かしたら、許さないから」

 そんなちっぽけなこと、内藤の胸ぐらを掴んで陰で言うことしかできなかった俺は、見て見ぬふりをした奴らと同じだ。

 あさなはもう、昔のあさなじゃない。

 ──俺は置いてけぼりだ。

 消えてくれ、とシャットアウトされた後に気付いた強い気持ちなど、当然ながら伝えられるはずもなかった。