「大丈夫ですよ」
少し…微笑んでくれたような気がしたけど気のせいかだろうか?
「そうだ!せっかくだから途中まで3人で帰ろう!」
「僕は構いませんよ」
そう僕は言って雨野さんの方を見た。
雨野さんも僕を見ていた。
きっと…雨野さんは一緒に帰りたいはずだ。 "友達"と。
僕は「大丈夫です」と言う意味を込めて力強く頷く。
雨野さんに伝わったのか。
雨野さんは「私も一緒に帰りたいです」と言ってくれた。
…よかった。
「やったー!じゃあ行こう!」
晴山さんが先に走り出した。
僕も行こうとしたら突然手を掴まれて…。
「ありがとうございます、伊般さん」
「…っ!!」
僕にニコッと微笑んでから晴山さんの後を追う雨野さん。
「…反則すぎるっ」
雨女の雨野さんは忘れっぽくて、抜けているところがある。
だけど優しくて隣にいるととても…温かい人だ。
それが僕の知る雨女の雨野さん。