今日も僕はいつも通りの時間に登校した。
「おはようございます、雨野さん」
「おはようございます」
雨野さんはいつも同じ時間に学校に来ている。
だから僕が寝坊したり信号とかに捕まっていたらこの朝の昇降口での挨拶ができなくなってしまう。
それはなんとしてでも阻止したい…!
だから早く朝起きなければ…!
など考えていると目の前には雨野さんの鞄が視界に入った。
その時、思い出した。
いつの日かだったか。
クラスメイトが言っていたことを…。
だから思わず聞いてしまったんだ。
雨野さんなら聞いたらきっと答えてくれると。
そうなぜか…思ったから。
「あの!雨野さん!」
「はい、なんでしょうか?」
振り返った雨野さん。
髪が宙に舞う。
あぁ…綺麗だ、なんてことを何回思ってきただろうか。
「あの…雨野さんの鞄の中って何が入ってるんでしょうか?」
「…」
や、ヤバい!
なんか無言だ!
今までこんなことあったかな?
ど、どうしよう…!