‐『なんで心月ちゃんと別れたの?
結婚するならあの子がよかった…』

母親の言葉に心太は眉をひそめた。

「振られたんやでしゃーないやんけ」

心太の母親は、心月が好きだった。
心太が心月を家に連れてくる度、『娘にするならこの子がいい』とよく言っていた…。

「オカン、詩生里(しおり)の事も可愛がってやってよ…」

心太の言葉に、

『あの子ねー…。
あまり好きになれないタイプ…』

母親はため息をつく。

詩生里はイマイチ母親受けしない。