心太(しんた)と別れて1年が経った頃、

「石濱(いしはま)さん、好きです…」

取引先の社員・真中 敬多(まなか けいた)に告白された。

「うちの会社は取引先の人との恋愛禁止なので、会社を辞めました」

「え」

「そして来月からこちらの会社で働きます」

「なにもそこまでしなくても…」

大胆な敬多の行動に、初めは引いていた心月(みづき)も、

「好きだからそこまでするんです!」

真っ直ぐな敬多の言葉に、心月の気持ちは揺らいだ。

「俺と付き合ってください」

「…お願いします」

「よしっ!」

ガッツポーズをする敬多。

そんな敬多を見ながら、何故か心月は心太を思い出していた…。