この傷は、今は新しくあるけど、元々ここに傷があったの。

 なんで元々あったのか。

 あれは、小5の夏休みに入る前。

 ずっとみんなといる私は、他の女の子達から見ると、邪魔者に見えたんだと思う。

 おかげで私には、女の子の友達がいない。

 まぁ、ここはみんなも知っているかもなんだけどね。

 女の子の友達がいなかったのは寂しかったけど、私にはみんながいるし、女の子からは避けられる程度だったからよかったの。

 だけど、他の女の子達はそんな生ぬるい考えだけじゃ、すまなかったみたいなんだ。

 なんなのかって言うと、みんながいない時に起こったこと。



       ***



 私は先生に頼まれごとがあって、1人遅く帰っていた。

 かなり遅くなっちゃったな。

 早く帰って、みんなと遊ぼう!

 そんなことを考えていると、背後から視線を感じた。

 なんだろう?



「おい白崎!」



 私が振り返るよりも速く、ドスのきいた声が聞こえた。

 思わず体がビクッと跳ねた。

 そして恐る恐る振り返ると、クラスの女の子達全員がいた。

 いや、それ以上。

 見たところ、小5の女の子なのは分かった。