【玲】



「ハァ、ハァ」



 あいつらと別れてから、すぐに桜木公園に向かった。

 はっきり言って、あそこはどこよりも恵がいる可能性が高い。

 理由はたった1つ。

 あそこはオレ達7人が子供の頃からよく遊んでいたからだ。

 どうか……いてくれ。



       ***



 公園に着いたはいいが、小さい子供がいるだけで、恵がいる気配はこれっぽっちもない。

 ただただ子供の騒がし声と、風が吹く音しか耳に入ってこなかった。

 ハズレか……。

 この公園は、わざわざ細かく捜す必要はない。

 遊具が少なくて、ほとんどは目に見えるからだ。

 ……とは言え、見落としなんかがあったら、たまったもんじゃない。

 オレは木の後ろなど、探せる所は全て捜した。

 が、いない。

 ここにいないとなると、捜す場所が思いつかない。

 仕方ない。

 一度家に戻って、あいつらの情報を得よう。

 最悪の場合、1人だけでも聞ければいい。

 オレは深いため息をついて、帰ろうとした瞬間、小さな子供の声が聞こえた。