【累】



「「「「「「見失った……」」」」」」



 俺達は恵の後を追って走ったが、この中では誰よりも恵の足が早い。

 だから、すぐに見失ってしまった。

 一度話し合うために、俺達は荒くなった息を整えた。



「どうするの?急いでめぐみんを見つけないと、暗くなっちゃうよ」



 優は夕日を見つめて、心配そうな顔をした。

 優の言う通り、もう5時くらいのはず。

 ホントに急がないと見つからなくなるし、危ない。

 恵の父さんと母さんに連絡を取りたいが、今は仕事で忙しいはずだしな……。



「手分けして捜した方がいいだろうな。俺は家の近く、優は河川敷、俊は図書館、清は中学校、京は商店街、玲は桜木公園」

「「「「「分かった」」」」」



 みんなに指示を出して、俺達はバラバラになり、恵の行方を捜した。

 俺は一度家に戻り、庭、家の中を捜して回った。

 もしかしたら、俺達を巻いた後、戻ったって言う可能性があるしな。

 そう期待をしたが、きれいに空回りした。

 あちこち捜してみたけど、どこにもいない。

 頭をフル回転させ、考えた結果……。