「おい恵、早く来い」



 玲くんが、私に向けて怒鳴り声を出した。

 そんなに怒らなくてもいいのに。

 玲くんは本当に気が早いんだから。

 でも、玲くんが急ぎたい気持ちは分かる。

 だって今日は、夢織学園の入学式なんだよ!

 私は、その学園の制服に嬉しさがいっぱいなんだ〜〜〜。

 男の子全員は、クリーム色のジャケット、黒赤白のチェックのズボン、ピュアホワイトのワイシャツに赤いネクタイ、そして白い靴下にブラウンのローファー。

 制服のせいか、みんながいつもより上品に見える。



「わぁ、めぐみん可愛い!」



 優くんが目をキラキラ輝かせながら、ほめてくれた。

 女の子の制服は、ジャケットとワイシャツ、靴下は男の子と同じ。

 だけど、黒赤白のチェックのスカート、赤いジョーゼットリボンっていう、女の子らしさがある。

 こんな制服を着たら、私みたいな冴えない子でも、可愛く見えると思う。

 実際、優くんが反応してくれている。



「ありがとう優くん、みんなもすっごくカッコイイよ」



 そう言うと、みんなは頬を苺みたいに赤くさせた。