なんだか今だけ、おとぎ話のお姫様になっている気分だった。



「恵ちゃん、ダンス上手だね」

「うぅん、颯人くんのエスコートが上手なんだよ。じゃないと私、踊れないから!」



 笑顔でそう話すと、颯人くんは笑い返してくれた。

 でも笑った後、颯人くんが突然真面目な顔になって、ビックリした。



「ねぇ、恵ちゃん」



 手を握る力が強くなった。

 ほえ?



「なに?」