嬉しいけど恥ずかしい。
おかげで、耳まで熱くなってきた……。
「恵ちゃん、すごい!とっても可愛いよ」
颯人くんが私の前まで来て、褒めてくれた。
目がキラキラと輝いている。
「あっ、ありがとう。颯人くんもすっごくカッコイイよ!」
颯人くんは、銀色のスーツに白色のネクタイ。
大人っぽさもあるけど、爽やかさもある上品な服装だった。
銀と白、私の服装と少し似ている?
気のせいか!
そう考えいると、颯人くんは私の手を取った。
「ありがとう。それじゃあ、さっそく踊ろう」
「あっ」
そうだった。
こ、断らないと……。
「でも……」
「速く!」
「ほえっ!」
答えるよりも早く、颯人くんが私を中央まで引っ張った。
そそくさと私達を避ける一加ちゃん達の視線が痛かった。
あれ?
一加ちゃん達の視線もあるけど、なんだか他の視線が……?
振り返ってみると、6人の目が三角になっていた(京くんの目はあんまり見えないけど)。
えぇっと?
なんで?
中央に私と颯人くんが行くと、オーケストラの人達は新しい楽譜を取り出した。



