私は涙が出てきそうになるのをぐっと堪えた。

 今泣くのは、間違っていると思ったから。

 そんな私を見て、清くんがため息を1つ。



「ねぇ、みんな。もう恵ちゃんに教えようよ。僕、ウソを続けるの耐えられないよ……」

「まぁ、そうだな」



 累くんは苦笑いを浮かべ、他のみんなは頷いた。

 そして、銀色の箱を1つ取り出した。

 箱には、白いリボンが結ばれていた。

 な、なんだろう?

 首を傾げると、みんなはニッコリと笑った。

 ほえ?



「「「「「「ハッピーバースディ、恵!」」」」」」



 その瞬間、私はポカンと口を開けた。

 ほ、ほえ?

 ハッピー……バースディ?

 ど、ドウイウコトナンデスカ?

 するとみんなは吹き出して大笑いした。



「?」



 もう意味が分からず、ただ呆然とするしかなかった。

 私の様子に気づいたのか、累くんが涙を浮かべながら説明してくれた。



「1日早いけど、13歳の誕生日おめでとう。これは誕生日プレゼントだよ」

「「「「「おめでとう」」」」」



 プレゼント……?



「こ、このことを隠すために私のことを避けていたの?」