優樹さんと優樹さんの息子さん?方が私たちの前に座った。
お母さんが何も言わないってことは問題ないんだろう。
やばい、手から変な汗が………
優樹さんだけでも緊張してたのに……
男の子がいるなんて………
私は男の子が苦手だ。
別に昔なんかあった訳ではない。
ただ、学校で男の子と話さなすぎるて話し方を忘れてしまった。
緊張MAXの私の隣から声が聞こえてきた。
「空桜?」
突然葵が目の前の男の子に声をかけた。
「葵?」
無表情だった男の子も葵の顔を見た瞬間、驚いた表情に変わった。
え、2人知り合い?
もしかして、さっき葵が言ってた友だち?
そんな偶然…。
「葵、空桜くんと知り合いなの?」
お母さんも知らなかったのか、葵に尋ねた。
「…うん、友だち。母さんが受付で早坂って言った時、まさかとは思ったけど………。」
「と、とりあえず挨拶しようかな。
葵くんが空桜と友だちなのは驚いたよ。」
そう言って笑った優樹さん。
あ、優樹さんも知らなかったんだ。
「初めまして、早坂優樹です。
茜さんから翠ちゃんと葵くんの話はよく聞いてるよ。」
お母さん、優樹さんに私たちのことよく話してたんだ。
なんて話してたんだろう?
「初めまして、葵です。」
「初めまして、翠です。」
緊張で噛まないか不安だったけど、葵の言ったことをリピートするように言った。
たった1言なのに、めっちゃドキドキしたー。
多分、ちゃんと笑顔で言えた……はず!
毎日、鏡の前で笑う練習してるし!
