どうしよう。
 なんか優樹さんに失礼しないかな?


 なんて考えたら………

  すでに3日経ってしまった!!

 今日、優樹さんとお会いするんだ……。


 あー、宿題に全然手がつけれなかった。

 とりあえず、今日を無事に終えたら…



「翠ー。何してるの?置いて行くよ。」

 ボーとしていた私に痺れを切らした葵が私にそう言って玄関のドアを開けた。

「えっ、待って葵。
 ねぇ、葵。私の服、変じゃない?」

 そう言って葵の前でクルッと回った。

「うん。可愛いよ。
 翠は可愛いんだから、いつもそのくらいオシャレしたらいいのに。」


 …………嘘つき。

 私と葵は双子だけど、顔は似てない。

 葵はカッコいいけど、私は可愛くなんかない。

 私のコンプレックスは容姿。

 髪の毛は天然でクルクル。

 だけど、巻いてると思われて学校の先生に怒られたり

 目はパッチリすぎてお化けみたいと言われたり。

 だから、普段は目が見えないくらい厚い眼鏡をつけている。

 本当に自分の顔が好きじゃない。

 
 
 でも、そんなこと葵に言えるはずない。

 そんなことないって絶対言ってくる。

 優しい葵は大好き。

 でも、私よりカッコいい葵に可愛いなんて言われても嬉しくなんてない。
 
 消化できない気持ちを飲み込んで葵にお礼を言う。


「本当?ありがとう。」
 
 第一印象が大事だから。

 優樹さんがどんな人かは知らないけど、出来る限り可愛らしい格好をした。
 
 普段着ないような綺麗めのワンピースを着た。

 あんまりお出掛けしないから少しだけ楽しみだ。

「じゃ、行こうか。」

 返事をして葵の後ろをついて行った。