平凡で変わらない毎日が崩壊し始めました。



「ここ、俺の部屋。………で、ここがお前の部屋。」


 …………隣なんですね。

 別に嫌だと思ったわけじゃないよ。

 ないけど………。


 空桜くんが私の部屋のドアを開けた。

「うわー、めちゃくちゃお洒落。」

 部屋は全体的に白と緑色を基調とした大人っぽい雰囲気だった。

 緑色も、優しい暖かみのある色で私が1番好きな色だった。

「全部父さんが選んだ。」

「へー、そうなんですね。優樹さん、センスいいですね。」

 全部、優樹さんが選んだとは思わず驚いた。

 モデルルームみたいなのお洒落な家具と配置………。

「………父さんの職業、知ってんの?」

 優樹さんの仕事………?

 お母さんにも聞いてないし、

「知らないです。」

「社長。」

「ん?えっ?なんて?」

「だから、父さんは家具を取り扱ってる会社の社長。」

 シャチョウ?

 ………あの、「社長」しかないよね。

「えー!!聞いてない!!」

「知らないし。てか、茜さんから聞いてなかったんだ。」

「………はい。」

 いい旅館で食事だなー。とか大きな家だなー。とか色々思ってたけど。

 まさか、社長とか聞いてない………。

 お母さん、本当に大事なことを言わないじゃん。

 まぁ、お母さんは優樹さんが社長だから再婚したわけではないだろうけど。


「あと俺、女のこと嫌い。………無駄に話しかけないで。部屋なんて絶対入らないで。」

「もちろん。」

 私も男の人嫌いだし、空桜くんのことちょっと怖いし、話さなくていいなら楽だ!

「………え、あ、うん。
 荷物、置いとくから。」

 なんか呆気に取られたような顔をして空桜くんは部屋から出て行った。

「……あ、ありがとう。」

………よし、荷解きはじめますか!