お寺にやって来て半月。
祖母の家が檀家だったこともあり、私は相変わらず光福寺でお世話になっている。

「晴日ちゃん、私は明日の法要で使うお花を受け取りに行ってくるから、お留守番頼めるかしら?」
隆寛さんもお父様も外出中の午後の時間、お母様に言われふと考えた。
「お花の受け取りなら私が行きましょうか?」

わざわざお母様が行かなくても私で用は足りるはず。
家で介護をしているおばあさまのこともあり、家を空けるのは不安だろうと私の方から申し出た。

「そうしてもらうと助かるけれど、いいいの?」
「ええ、場所はわかりますから」
「じゃあお願いするわ」

街のお花屋さんは歩いても15分ほどの距離。
道にはほぼ雪もなく、温かくなったお日様を感じながら私はお散歩気分で出かけた。