いつも私のところにいてくれる二十歳後半の武田さん。

「武田さん……」

「どうしたの?」

「武田さんって、好きな人いますか?」

「なっ、なんでそんなこと聞くの?」

いつも冷静で、あまり隙を見せない武田さんが珍しく焦っている。

なんか、かわいいな、武田さん。

「私、好きな人がいるんですけど。バレンタインにプレゼントをもらって、お返しするためにこれを作ったら