それから凪くんには先輩ズラしかできなくなった。

可愛くお願いすることもできなかったし、頼ることさえできなかった。

私はそれくらい弱虫なんだ。

                         ***

「おっはよー!神奈、凪くん」

「おはよう、美琴」

「おはようございます、巫先輩。じゃあ俺、行きますね」

そう言って早々に歩いて行ってしまった凪くん。