私のアイドルはあなただけ

「もういいです!離してください!」

律が莉子の手を掴んでいかせなようにしたけど、莉子は律の手を振り払う。

ガシャンッ

普段はあまり気にならないドアの音が、部屋中に響き渡った。

「りっくん、もう聞かれたんだししょうがないじゃなん」

「でも、莉子ちゃんに申し訳ないよ!」

裕樹にそう言っている律のそばに、小さいノートが落ちてるのが見えた。

「これ……」