私のアイドルはあなただけ

「はい……今日向かう場所はここから電車で四十分かかる場所でして……」

「じゃあ俺らまた走らなきゃいけないの〜?」

ゆうくんのその一言でその場にいたメンバーの顔が歪む。

もうあんなに走りたくないんだろうな……。

私だって走らせたいわけじゃないし……どうしよう……。

なんとなく机に目を向けると、車のチラシが置いてあった。

車か……よしっ!

私はもう一度スマホを取り出して学園長に電話をかける。