ごめん、変な心配かけて。

そう付け足すことができるほど、時間に余裕はなかった。

「え、あ、そんなこと?……でもないな、俺のジャージ泥だらけだわ」

……そうだった。

尚くん、雨上がりの運動場でスライディングシュートしてたんだった。

「それでもいいから!お願い!」

手を合わせるも、躊躇している様子の尚くん。

「俺の着る?」