◇◇◇


「あ……」
「あ……」

 週明けの月曜日。

 校門のところで、例の号泣サッカー部男子とばったり出くわした。

「んだよ、同じ学校のヤツだったのかよ」

 ぼそっとつぶやくと、わしゃわしゃと頭をかく。

「……おい、誰にも言うなよ」

「い、言われなくたって、言わないし」

 あたしがそう言うと、そいつはふいっと顔をそむけて行ってしまった。


 なんなの!?

 そんなに恥ずかしいこと?

 あたしは、全然そうは思わないのに。

 それどころか、あんなきれいな涙、見たことないって思ってたのに。


「あー、もうっ。なんか月曜からムカムカするぅ~!」

 イライラに任せて足を踏み鳴らして校門をくぐろうとしていたら、うしろから来ていたらしい一花にぐいっと腕をつかまれた。