「……なんか、おまえならいい気がしてきたわ」

「なにがです?」

「俺もよく『カノジョの声援が力になるんだから、おまえもカノジョ作れ』なんて言われんだけど、正直サッカーだけでいっぱいいっぱいでさ。それ以上のもん背負うとか全然ムリな気しかしないわけよ。お互い、うるさい友だちを黙らせたいってのも同じだし。だから……やるか。ウソのカレカノごっこ」

「え、本当にいいんですか? あたしはすごく助かりますけど」

「だから俺も助かるんだって。そうだ。ちゃんと決まりくらい作っとかなくちゃな」

「基本は、朝一緒に登校するってことでどうですか? 帰りは、部活終わるの待たずに帰っちゃいますけど、いいですよね?」

「朝練、かなり早いけど、大丈夫か?」

「え……それはめんど……いや、がんばります」

「今おまえ、面倒って言いかけたな」