その7
リエ



「この話、やってやるなら面白いわよ、そりゃ。でも、これって、関係ない人間いっぱい巻き添えよ。あなたたち、その辺の覚悟、本当にあるの?」

「リエ、ここにいるメンツはさ、そのくらいのこと屁でもない強者と見込んで集めたんだ。だから、”条件”とかがあれば、わかりやすく言ってくれないかな」

豹子は”あの時”と同じ”返し”を、”あの時”と同じ顔つきで私に迫ったわ

フフフ…、挑発するのが巧みだわ、全く


...



「具体的に言うわよ。私は割り切れば善意の第三者だろうと、平気で潰すわ。それ、高原の時で立証済だしね。そうでしょ?」

豹子はニヤついて頷いてるし…

「今回もやるとなったら徹底してやるわよ、うん。そうなるとよ…、警察だけじゃなく、マスコミの方とかも抑えが必要になるでしょう?大丈夫なの?」

「その辺も押さえてるよ、リエ。あんた達は、力の限り暴れてくれればいい。すべての処理は私に一任してくれ。さあ、リエ、ここで返事をもらうぞ」

豹子の奴、ますますイッちゃってるわ(苦笑)

「よーし、やるか!だけど、ホント凄いことになるわよ、これって。祥子、あんたも絶対尻込みするなよな。私はエンジンかかったら止まらないんだ。標識なんか、全部無視だよ。いいんだね?」

「いいさ。一緒にやろう、最後まで…」

祥子は全く動じていない

コイツと私

まあ、最強か…


...



「リエ、じゃあトイレ行くか、電卓持って。ハハハ…、この人だけは、数字の一致がないと納得しないからさ。行ってくるわ、トイレに…」

麻衣と私は、お互い笑いながら席を立ち、トイレへと向かったわ

そしたら、ボックスのソファにふんぞり態勢の祥子がでかい声をあげてね…

「よし、ゆっくり電卓と睨めっこして来い。麻衣、出し惜しみすんなよ。予算不足なら、私の取り分から持ち出しも可だ。ハハハ…!」

そしたら豹子もすかさず返事だ

「ああ、あんがとね、祥子…」

豹子はかわいいわ、こういうとこ

なら、今日は少しまけとくか…