「全然…
 キスされても嫌だとしか思わなかった」

「そっか」

「…………雄斗…?」

「ん?」

「……キス…して…?」

「………香音…嫌じゃないのか…?
 車でキスした時、泣いたよな…?」

「…………嫌じゃない…
 ………それに…雄斗のキスで忘れたい…
 なかったことにはできないけど忘れることはできるから…」

「……香音、嫌だったら押し返せ
 離れるから
 分かったか?」

「うん…」