「うん…」

「傷…見せてくれない…?」

嫌だ…
それだけは絶対に嫌…!

「嫌…!」

先生に捕まれていた手を隠した

「香音…見せて…?」

もう一度聞いてきた

それでも見せたくないものは見せたくない

今回は…酷いから…
特に手首の傷は…

「嫌だ…!」

「どうして…?
 やっぱりまだ怒ってる…?」

寂しそうに笑って聞いてくる

「そんなことないよ…」

「俺のこと嫌いになった…?」

「そんなわけないじゃん!」