カチャ 準備室に入り鍵を閉める音が響いた 「香音…」 そう言って先生は私を抱きしめてくれた 先週から先生は準備室にいる間だけ下の名前で呼んでくれる 「先生、良かったの? みんなともっと話したかったんじゃないの?」 「良いんだよ 最後だから…できるだけお前といたい…」 「先生…」 「お前…さっき帰ろうとしただろ? 最後なのに 俺といたくないの?」 「最後だからですよ…」