「優依ちゃん、今日大丈夫？なんか元気ない気がする」


お昼休みにお弁当を食べ終わった後、瑞希ちゃんが少し心配そうな顔で聞いてきた。


「大丈夫だよ、ちょっと寝不足なだけ」


そんなに顔に出ていたのかと思い、慌てて笑顔を作る。

隠すつもりはなかったけど、自分の中のモヤモヤをどう言葉にしていいかわからなかったので何も言えなかった。


「なかなか眠れないときもあるよね」


楓ちゃんが優しい笑顔で私を見ていて、少し心が軽くなった。

いつか私の中でいろいろ整理ができたら、瑞希ちゃんと楓ちゃんにも話を聞いてもらえるかな。


「眠気覚ましにちょっと散歩してくる」


気分転換がしたくて、私は残りの休み時間を教室の外で過ごすことにした。


一階の渡り廊下からぼーっと外を眺めてみる。

ここから見える空はとても青くて、遠くに見えるグラウンドの土や、木々の緑とのコントラストがとても綺麗だなと思った。

みんな思い思いに休み時間を過ごしている姿が楽しそうで、なんだか気が紛れてくる。


このモヤモヤを払拭するには、いったいどうしたらいいんだろう。

夏海くんへの気持ちに早く答えを出せたらこんな気持ちから解放されるのかな。