嫌いじゃないなら、まだ好きじゃなくてもいいから今すぐに付き合ってほしいんだ、本当は。

早坂を独占する権利が早くほしい。

早坂の可愛いところを見るのは俺だけがいいし、本当はいつも早坂に触れたくて仕方がない。

初めての委員会の日、教室に入ろうとしたときに早坂とぶつかったことがあった。

その時にとっさに掴んだ早坂の腕の感触とか肩の細さとか・・・もう何週間も前のことなのに、ずっと忘れられないでいる。


・・・ヤベェな、これは自分でも引くくらいモンモンしすぎてるな。

暴走してとんでもないことしないように気をつけねぇと。

早坂が望まないことは絶対したくないから。


その時、スマホの着信音が鳴るのと同時に、早坂とのトーク画面がパッと消えて着信画面に切り替わった。

画面には『着信 神崎彩香』と表示されている。

クラスのヤツと話す気分じゃないし無視しようかとも思ったけど、このままじゃ早坂のことばっか考えてしまってずっとモンモンしそうだなと思い直し、気持ちを切り替えるために通話ボタンを押した。