・・・もしかして、夏海くんの行動を『変だ』って言う人が今までいたのかな・・・?

そういえば、松山さんと音川さんも、夏海くんは委員の仕事はしなさそうだと話してた。

勝手にイメージをもたれて、そのイメージにそぐわない行動は『変』だと言われてきた、とか・・・。

もし私がそうだったら・・・少し寂しいな。


「変だとは思わないし、やる気になってくれてるの嬉しいよ」


ほんとうに私が考えているような理由があるのかどうかはわからないけど。

一緒に委員をやる気でいてくれてるのは嬉しいから、私は思っていることを素直に伝えた。


私の答えを聞いた夏海くんは一瞬目を見開いた後、優しい眼差しを私に向けた。


「早坂はそう言ってくれると思った」


少しはにかんだような穏やかな表情をうかべた夏海くんは、いつも教室で見せているドライな雰囲気とは全然違っていて、私はまた緊張感が増してしまう。


「そういうとこが好き」

「ふぇっ?!」


すすす好きって、好きって言った・・・!いや、すでに言われてるんだけど・・・でも・・・。

私を優しく見つめる夏海くんの甘い雰囲気に、身体じゅうから湯気が出るんじゃないかというほど体温の上昇を感じる。

『仲良くなる』って、これからもこういうことを言われてしまうのですか・・・?

心臓がもたないよ・・・。