「お前・・・どんだけアホなの?」


蓮の心底あきれている声に答えることなく、俺はプレイ中のゲームを続ける。


「とりあえず仲良くなるって言ってなかったっけ?」

「・・・・・・」

「しかもそっこーフラれてるし」

「まだフラれてねーよ」

「いや、どう聞いてもバッサリごめんなさいされてるじゃん」


フラれたのはなかったことにしたくて一応反論した俺だが、事実をかぶせられて黙るしかない。


早坂に『付き合えない』と言われた瞬間、頭が真っ白になった。

同時に、『やっぱりな』とも思った。

ろくに話したこともないし、仲良くなる努力も何もしてこなかったのに、いきなり告ったってそりゃ付き合ってもらえるわけないよな。

早坂に興味をもたれていないことは何となくわかってたから、まずは距離を縮めていくべきだとずっと思ってたのに。

ごめんなさいと言って頭を深々と下げる早坂の姿は、俺の十ヶ月に及ぶ片想いの終わりを意味していた。