「私も寂しいんだよ?」

「うそだ」

「ほ、ほんとだよ?昨日はクラス発表が心配すぎてなかなか寝られなかったし・・・」

「全然そんな感じしねーもん」


『もん』て、そんな可愛い言い方して・・・。

訝しむような表情の賢斗くんがなんだか可愛くて、私は顔がニヤけるのを必死で我慢した。


「賢斗くん、見て」


私も寂しがってること、わかってほしい。

私はおもむろに制服のシャツのボタンを外しはじめた。


「っ優依?!」


ぎょっとした顔で慌てる賢斗くんを尻目にボタンを二つ外した私は、シャツの中から小さなクローバーのネックレスを出した。

先週、賢斗くんが私の誕生日にプレゼントしてくれた大切なもの。


「もしクラス離れたら寂しいから今日付けてきたの。付けてたらね、賢斗くんのこといつでも感じられる気がするから・・・」


そう言ってクローバー型のトップにそっと触れる。


「・・・私も寂しがってること、わかってくれた・・・?」


何も言わず私を見つめている賢斗くんの顔を覗き込む。

賢斗くんは顔を赤くして、「・・・うん」と頷いてくれた。

良かった、わかってもらえて。