どんな君も、全部好きだから。

「優依ちゃん、賢斗に変なことされてない~?だいじょーぶ?」

「ふぇっ?!だ、ダイジョブです!!」

「ほんとかな~?あ、今度あそぼーねっ!賢斗抜きで♪」

「は?そんなんさせねーけど?ていうか早く行ってくんない?そんでもう来ないでくんない?」


夏海くんは美桜さんの身体をぐいぐいと押し出してドアを閉めようとしている。


「はいはい、今から美羽と出かけるから安心しなよ。じゃーね優依ちゃん」

「は、はい!お茶ありがとうございます」


美桜さんが笑顔で手を振っている途中だけど、夏海くんは容赦なくドアをバタンと閉めてしまった。


長めにため息をついた後、さっきより私と間を空けて座った夏海くん。

そのことに私は少し寂しさを感じてしまった。


・・・私には離れちゃダメって言ったくせに、自分はしちゃうの・・・?


そんなふうに思っている自分に気づいて、なんだか恥ずかしい。

今日は夏海くんの誕生日なんだから、そんな拗ねるようなこと考えちゃだめ。