どんな君も、全部好きだから。

「・・・なんでちょっと遠いの?」

「え、えっと・・・汗かいてるから、あんまり近くない方がいいかなって」


私の返答にむぅっと不満そうな顔をした夏海くんがズイッと距離を詰めてくる。


「汗かいたくらいじゃ離れていい理由になんないよ」


すぐ近く、夏海くんの温もりが感じられるほどの距離でそう言われて、私はタジタジしてしまう。

一応汗のケアはしてきたけど・・・でも気になりすぎる・・・!


「な、夏海くん、ちょっと待って・・・せめて汗ひくまで・・・」

「ヤダ」


ヤ、ヤダって、またそんなかわいい言い方して・・・。


「こっちきて優依。お願い」


お願いと言いながらも、私を見つめる瞳は『拒否するのは許さない』と言っているかのように鋭くて。

観念した私は、のっそりした動きで夏海くんのすぐ隣に座りなおした。

その瞬間、今度はぎゅっと抱きしめられてしまう。


「っ夏海くん・・・ま、待って・・・」

「はー・・・やっとぎゅってできた・・・」

「~~~~~!!」