どんな君も、全部好きだから。

「飲み物取ってくるから、座ってて」


夏海くんはそう言ってくれたけど、どこに座ればいいか迷ってオロオロしてしまう。

そんな私に気づいた夏海くんが、クッションを二つ用意して先に座った。

そして自分のすぐ隣に置いたクッションをポンポンと叩いて、


「優依はここ」


と私に座るように促す。


「は、はい、失礼します・・・」

「なんでそんなかしこまってるん」


緊張のあまりガチガチになっている私の様子を見て「あはは」と笑う夏海くん。

その柔らかい雰囲気に少し緊張がほどけた私は、夏海くんの隣に座ろうとしてハッとする。


ここに来るまでに汗をかいてしまったから、あんまり近くに座らない方がいいかも・・・!


私は夏海くんが示してくれたところより、少し離れた場所に腰を下ろした。