どんな君も、全部好きだから。

「優依、ココこれで合ってる?」

「ちょっと待ってね。・・・・・・・・・・・・・うん、合ってるよ」

「やった」


問題が正解する度に子どものように無邪気に喜ぶ夏海くんが可愛くて、私の心臓はぎゅんぎゅんしっぱなしだった。


「あ」


嬉しそうに笑っていた夏海くんが、突然何かを思い出したような様子で声をあげた。


「どうしたの?」

「中間テストの後にさ、テストの結果が良かったらほめてねって言ったヤツ・・・覚えてる?」


夏海くんが私の方をチラっと見ながら言った。

それまですっかり忘れていたけど、言われてすぐに記憶が蘇った。

確か夏海くんと図書委員の仕事をしているときにそんな話をしたんだっけ。


「う・・・うん、おぼえてるよ」


結果がどうだったか聞きたかったけど、その後盛大な自己嫌悪に陥って夏海くんを避けてしまったりして、それどころじゃなかったんだよね。


「中間テスト全部80点以上だった。こんな良い点取ったの初めて」

「そうだったんだ!すごいね」

「・・・ほめてくれる?」


私の方に少し顔を近づけてきた夏海くんが、顔を覗き込みながらそう言った。