「なんか優依ちゃんが遠い存在になっちゃった感じ」

「ほんと、イケメンすぎる彼氏ができてねぇ」


お昼の休み時間。

いつものように瑞希ちゃん、楓ちゃんとお弁当を食べていたら、二人がそんなことを言った。


「そ、そんな、私なにも変わってないし、ぜんぜん遠くないよ」


私は二人の顔を交互に見ながら慌ててそう言った。


「二人にそう思われるの寂しい・・・」


中学で仲良くしていた友達はみんな別の高校に行ってしまったので、高校入学時は仲の良い人が周りにいなかった。

そんな私が高校に入って初めてできた友達が瑞希ちゃんと楓ちゃんだった。

一緒にいるとほっとできる居心地が良い存在で、来年も同じクラスだったらいいのになって思ってるのに。

二人にそう思わせるようなこと、私なにかしちゃってるのかな・・・。


「あ~~~ごめん優依ちゃん!ちょっと意地悪だったごめん!」

「私もごめん!なんか優依を取られちゃったような気がしてさ、寂しく感じちゃった」


二人の慌てた様子に私はほっと胸をなでおろす。

良かった、嫌われたわけじゃなかった。